ジェフ・ベゾス ライバルを潰す仕事術

著者:桑原晃弥
本体:800円(税抜)
発行年月日:2015年5月25日
判型/製本:新書判並製
ページ数:204
ISBN: 9784766720594

内容紹介

まえがきより抜粋

ベゾスには、ユーザーのためになるなら、少しぐらいの不幸や悲劇は気にしない強さがある。よりよいサービスのために、社員に信じられないハードワークを要求する。
より速い流通のために、限界まで倉庫の効率化を推し進める。「より安く」を実現するために、出版社に無理難題を押しつける。
税金や特許に関して、「法律を変えろ」「法律をつくれ」と都合よく主張する一方で、使える法律はとことん利用する。一方で、アマゾンの経営は 株主の利益などほぼ無視の赤字続きだから、ラクである。
普通なら多少は譲歩したり、共存共栄の道を探ったりする場面でも、一方的に勝利することを望む。相手が潰れてもおかまいなしである。アマゾンが強大になった今では、正面から潰しにかかっていると見えることも増えてきた。

やはりベゾスは否定論者が言うように「破壊者」なのだろうか。しかし、不思議なのは、「アマゾンなんか使わない」という声が少しもあがらないことだ。
仕事ではアマゾンに煮え湯を飲まされている人も、ユーザーとしてはついアマゾンを使ってしまう。この矛盾をベゾスに聞いたなら、恐らくこう答えるだろう。
「すべてはユーザーのために。ただし、それが常に万人を幸せにするとは限らないのさ」

そんなベゾスを見ると、日本でイノベーションが起きにくい理由がとてもよくわかる。

イノベーションは、本来はみんなのためになるものだが、現実には「みんなのため」を追求すると、「誰かのためにはならない」ことが起きるのである。よくも悪くも和を重んじる日本人は、「誰かのためにはならない」点を少しでも解決しようとして、徹底したイノベーションができなくなるのではないだろうか。

そんな日本人離れしたベゾスから自分が何かを学ぶのは「ムリ」というのが、多くの人の感想かもしれない。だが、本当にそうだろうか。
ベゾスのビジネス手法は非常に現実的だし、一部の人を敵に回してもユーザー第一を貫く姿勢は、勝ち残るセオリーといえる。

変化には破壊や抵抗がつきものだ。信じる道を突き進めば必ず壁となって立ちふさがる人たちがいる。それを恐れて立ち尽くしては、いつまでも前に進めない。
ベゾスほどの強さは持てなくても、ほんの少しの強さを持つだけで、日々の仕事や生活の中に、小さな革命を起こすことができるはずだ。
本書から、今という時代を生きる力を得ていただければ幸いである。

桑原 晃弥

著者紹介

桑原晃弥(くわばら・てるや)

1956年広島県生まれ。慶應義塾大学卒。
業界紙記者、不動産会社、採用コンサルタント会社を経て独立。転職者・新卒者の採用と定着に関する業務で実績を残した後、トヨタ式の実践、普及で有名なカルマン株式会社の顧問として「人を真ん中においたモノづくり」に関する書籍執筆やテキスト、ビデオなどの各分野で活躍中。

著書に10万部突破の『スティーブ・ジョブズ 神の遺言』、また『ウォーレン・バフェット 賢者の教え』『天才イーロン・マスク 銀河一の戦略』(弊社刊)『ジェフ・べゾス アマゾンをつくった仕事術』(講談社)『スティーブ・ジョブズ名語録』(PHP文庫)『知識ゼロからのイノベーション入門』(幻冬舎)など多数。

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